野菜用肥料おすすめ10選｜有機肥料と無機肥料の違い・野菜の肥料の選び方は？

最近では、家のベランダや庭で家庭菜園を行う方も増えています。おいしい野菜を育てるためには、野菜用肥料を使用するのがおすすめです。とはいえ、肥料と言ってもさまざまな種類があり、100均にも売られているなど値段もバラバラで、「畑の肥料は何がいいのかわかりにくい」との声が多いです。

また、天然材料の有機肥料と栄養素が届きやすい無機肥料にも違いがあります。これらは作られた材料や栄養素が異なるので、育てる野菜に合わせて最適な方を選んでください。さらに、液体肥料や初心者におすすめの野菜専用肥料もあります。

 今回は、野菜の肥料の選び方とおすすめの商品について紹介します。肥料のやり方や追肥についても解説しています。野菜肥料の購入を考えている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

野菜用肥料に重要な三大栄養素は、窒素・リン・カリウムです。窒素は葉緑素の元になるもので、主に葉や茎に作用します。窒素が不足すると茎がのびにくくなるのでしっかりと野菜に与えてください。しかし、与えすぎると実がつきにくくなるので注意が必要です。

リンは、主に花や実に作用する成分であり、実がなるタイプの野菜には欠かせない栄養素です。カリウムは、主に根や茎に作用する成分であり、根や球根の成長を促してくれます。病気や害虫に対する抵抗力も養ってくれるので、かなり重要な成分です。

夏野菜であるトマト・ナス・キュウリなどの果菜類は、比較的収穫期間が長い特徴を持っています。そのため、果菜類には肥料の効果が長続きする遅効性肥料や緩効性肥料の使用がおすすめです。また、ほかの肥料に比べて効き目がゆっくりな有機肥料や窒素が含まれている肥料を使うのもおすすめです。

キャベツやレタスなどの葉物野菜には、窒素が多めに入っている肥料を使用するのがおすすめです。野菜用肥料に重要な三大栄養素の1つである窒素は「葉肥」とも呼ばれており、葉を大きくする効果を発揮します。光合成を促すマグネシウムが含まれているものを合わせて使うのもおすすめです。

大根やニンジンなどの根菜類は、カリウム成分が多く含まれている肥料を使うのがおすすめです。カリウムには根や球根の成長を促してくれる効果があるので、根菜類には欠かせません。また、カリウムと合わせて窒素も多く含まれているものだとより栄養を得やすいのでおすすめです。

ピーマンやカボチャなど種のある野菜は、リンが多く含まれているものを使うのがおすすめです。リンは、野菜が実をつけるために必ず必要になる成分なので、使う肥料にリンが入っているかを確認してください。また、種のある野菜には花肥を使用するのもおすすめです。

有機肥料とは、油粕や鶏糞などの植物性または動物性の有機物が原料の肥料です。そして、有機肥料は、土への栄養補充と土壌改良の効果があります。そのため、常に土から栄養を吸収する野菜作りには欠かせません。

さらに、無機肥料と比べると効果が長く続くので、特にトマトやナスなどの果菜類を育てるときに使うのがおすすめです。また、有機肥料は土の中の微生物の餌になるので、微生物の種類が増えて農作物が育ちやすい環境を作ってくれます。

無機肥料とは、空気中の窒素や鉱石などの化学物を原料にした肥料を言います。また、無機肥料には窒素・リン・カリのいずれかに特化した単肥と、3つのうち2つ以上を組み合わせた複合肥料の2種類があります。

無機肥料の場合、植物に必要な栄養素のみを抽出して作られているので、植物に与えたい栄養素だけを選べるので使いやすいです。そして、有機肥料に比べてにおいが弱いので、ベランダや室内のプランターでも安心して使用できます。

液体肥料は、固形の肥料に比べて吸収時間が短く、速効性があるのが特徴です。そして、畑やプランターの土に差して野菜の元気を取り戻す目的で使われる場合が多いです。

野菜ごとに最適な肥料を選ぶのは難しいですよね。そこで初心者の方におすすめなのが野菜専用肥料です。育てる野菜専用の肥料を使用すると、初心者の方でも簡単に野菜を育てられます。トマト専用やじゃがいも専用など、さまざまな野菜に対応しているので使いやすいです。

有機肥料と無機肥料は使い分けが重要です。有機肥料は元肥に、無機肥料は追肥やプランター栽培に適しています。種まき時は栄養を与える必要があるため、有機肥料がおすすめです。しかし、有機肥料はにおいが強く虫が発生しやすいです。そのため、栽培途中での追肥やプランター栽培には無臭の無機肥料にしましょう。

液体肥料と固定肥料も特徴を把握し、野菜の生育状況に合わせて使い分けましょう。液体肥料は速効性があるため、野菜の栄養が豊富に必要な成長期や、生育が良くないときにおすすめです。一方、固定肥料は1年ほどかけてゆっくりと効果が出るため、長く与え続けられる場合に適しています。

液体肥料は購入もできますが、自作するのもひとつの方法です。手作りするには米糠や魚粉などを使う方法もありますが、一番シンプルなのは油かすを使用する方法です。油かすは菜種・大豆など植物の種から油を搾った残りかすで、カームセンターや通販で入手できます。

作り方は油かすと水を1対10の割合で混ぜるだけです。約1～2カ月発酵させ、できたら上澄み液を5～10倍に薄めて使用してください。

畑で野菜に元肥を与える方法は全層施肥・溝施肥の2とおりに分かれます。

【全層施肥の場合】

• 土に肥料をまく
• 肥料が土全体に混ざるよう畑を耕す
• 畦を作ったら播種・植付けする

【溝施肥の場合】

• 畑に溝を掘り、基準量の肥料を溝に施肥する
• 肥料の上に土をかける
• 肥料の上あたりに畦を作って播種・植付けする

なお、はじめて栽培する場合は全層施肥の方が簡単です。

畑で野菜に追肥を与える方法は以下のとおりです。

1. 野菜周辺の株間もしくは畦肩に肥料を与える
2. まいた肥料の上から土をかぶせる
3. 肥料にかぶせた土の上から軽く水を注ぐ

コツとしては少量をこまめに与えることで、とくに3.の効果は大きいため欠かさずにおこないましょう。

プランター栽培で野菜に元肥を与える手順は以下のとおりです。

1. 培養土に肥料をまく
2. 培養土全体に肥料をまんべんなく混ぜる
3. 表土を平らにならしたら植付けOK

なお培養土が元肥入りタイプの場合、元肥の投入は不要です。それでも入れたい場合は、基準量の1/3程度に留めましょう。

プランター栽培で野菜に追肥を与える手順は以下のとおりです。

1. 苗から少し離れた位置に肥料をまく。苗に直接触れないよう注意
2. まいた肥料の上から土をかぶせる
3. 肥料にかぶせた土の上から軽く水を注ぐ

追肥のコツは少量を継続的に与えることなので、こまめにケアしましょう。

野菜の成長に肥料は欠かせませんが、肥料のやりすぎはかえって野菜の成長を妨げてしまうので注意が必要です。必ず使い方を守って野菜に与えてください。窒素を与えすぎてしまうと、葉や茎ばかりが成長して花や実がつきにくくなってしまいます。

さらに、リンを過剰に与えると実が成熟しすぎて全体的な収穫量が減ってしまう場合があるので注意してください。また、カリウムを与えすぎると欠乏症を発症し、カルシウムやマグネシウムの吸収が阻害されてしまいます。

野菜から花までさまざまな植物に対応している肥料があるので、野菜用肥料と合わせて使うのもおすすめです。そして、花用肥料についてさらにくわしく知りたい方は、下のリンクからサイトに飛べるので、ぜひそちらも参考にしてください。

今回は、野菜用肥料の特徴やおすすめの商品について紹介しました。それぞれの野菜専用の肥料もあり、手軽に使えるので初心者の方におすすめです。野菜に合わせた肥料を活用して、おいしい野菜を育ててください。