トルクレンチのおすすめ13選！選び方や使い方・保管方法もご紹介

自転車やバイク・タイヤの整備を行う時に、どのくらいの力でボルトやナットを締めれば良いか迷ったことはありませんか。ボルト・ナットを適切に締めることができるトルクレンチを使えば、緩めすぎず・締め付けすぎずに整備できます。

トルクレンチにはさまざまな種類があり、種類ごとの特色をチェックすることで、どれが自身にとって扱いやすいタイプか判断可能です。また、選び方のコツを把握すれば、自身の用途に適したトルクレンチを探しやすくなります。

こちらの記事では、トルクレンチのメリットや具体的な種類・選び方のポイントを説明しています。おすすめな製品の実例や使い方の注意点も説明しているので、愛用の自転車や車の整備をしたい方はぜひご覧ください。

トルクレンチは自転車やロードバイクの整備にも使えます。トルクレンチを活用すれば車種ごとに決められているトルクが違っていても、適切にボルトやナットを締められるのが利点です。トルクとはねじる力という意味を持つ言葉で、適切なトルクで作業すれば自分の勘で作業した結果ボルトが折れた、といったようなトラブルを防げます。

バイクの整備にはいらない、という声もあります。しかし、ボルトやナットを適切に締めないと、正常に動作しづらくなる懸念が発生するため、正しく安全に作業する上で大切な道具です。

トルクレンチにはさまざまな種類があり、大きく

• プレセット型
• デジタル型
• 単能型
• プレート型
• ダイヤル型

の5つに分類が可能です。こちらでは、それぞれの種類の特徴や利点について説明していきます。

プレセット型には作業する前に締め付けるトルクの値を設定しておけるという特徴があります。作業前に任意のトルク値に固定できる分、作業したいバイクや車・自転車のトルク値を調べておくと安心して作業を進めやすいです。

また、設定したトルク値になるとカチッという音が鳴り確認できるのもポイントで、直感的に判断ができるのが魅力でもあります。販売されている数が多く、好みのメーカー・デザインの製品を取り入れやすいです。

デジタル型の場合は画面表示を見ながらトルク値を決められるため、より正確に作業したい方におすすめです。設定した値までボルトを締めると電子音が鳴るため、作業の手を止めずに整備を進められます。

また、画面が付いている分トルク値の設定を直感的に変更しやすいため、さまざまなトルク値の部品整備を一度に進めたい時に役立ちやすいです。価格設定はやや高めとなりますが、用途が幅広いトルクレンチを取り入れたい方に適しています。

単能型の場合トルク値が1つで固定されているため、同じトルク値の部品を複数整備したい時に便利です。トルク値をあらかじめ設定しておく必要がないため、準備の手間も発生しません。

また、機能性がシンプルな分、価格設定が安めなのも魅力です。しかし、購入後にトルク値を変更することはできないため、あらかじめ作業に適したトルク値をチェックしておくことが大切になります。車のホイールに用いるホイールナットに対応した製品が多いのも特徴的です。

プレート型は目盛りが付いた見た目が特色となっていて、目盛りによって示されたトルク値をチェックすることで、適切な力で整備できているか判断できます。作りが簡単なので価格設定は安めですが、任意のトルク値に設定ができず通知音もないため扱いは難しいです。

目盛りを確認すれば希望のトルク値で作業は可能なため、安くてもさまざまなトルク値で作業できる工具がほしい・レンチでの整備作業に慣れているといった方に適しています。

ダイヤル型のトルクレンチは丸いダイヤル型の目盛りが付いた設計に作られています。どちらかというとすでに固定したボルトやナットのトルク値の測定用として使われることが多く、サイズが大きく重いため家庭用の工具としては選ばれることが少ないです。

目盛りを読むことでトルク値の判断ができ、トルク値の設定を変更する手間は発生しません。チョイスする場合には、ダイヤルが大きく見やすい製品かどうかチェックしましょう。また、収納ケースは大きいものを用意する必要があります。

トルクレンチにはさまざまな製品がありますが、ポイントを押さえていればスムーズに探しやすいです。こちらでは以下のの3つの観点に分けて、選び方のコツを説明します。

• ヘッドの形状
• 用途と規定トルク
• サイズや重量

トルクレンチの先端部分であるヘッドの形状がどう作られているかによって、扱いやすさが変わります。ハンドルの付け替えができるタイプであれば、用途に応じて適切な形状に変更も可能です。こちらでは、4つの種類に分けて特色を説明していきます。

ラチェットタイプの場合内部に複数のギアが組み込まれていて、ヘッド部分の着脱も簡単に行えるという魅力があります。製品によってはヘッド部分を反転でき、右に回転させるものに対して使う逆ネジの固定にも活用可能です。用途が幅広いだけでなく、ハンドル部分を往復させるだけで手軽にネジ締め・緩めが行えるという強みもあります。

スパナタイプはトルク値が固定の単能型トルクレンチに多く採用されています。サイズが固定となっている分安価で、整備したいボルトのサイズが1種類の場合におすすめです。

設定を変更する手間が発生しないので、複雑な整備は行わない、という方にも適しています。あらかじめ整備したい部品の規定のトルク値をチェックし、対応しているか確認しましょう。

モンキータイプは口径を調整できるのが強みで、さまざまなサイズのボルトに合わせつつ作業を進められます。いろいろなボルトで固定する必要がある精密な機械の整備におすすめです。

また、ボルトの横に添える形で作業できるのもポイントで連結部分の整備も手軽に行えるという魅力があります。ある程度入り組んだ構造の部品にも対処しやすいです。

メガネタイプの場合、ボルトやナットを包み込む形で整備でき、他のヘッドと比べてより強い力で締め付けやすいのが強みです。また形状がコンパクトなため、周囲にさまざまな部品がある場合にも差し込みやすいといった魅力があります。

ラチェットタイプは形状が大きい代わりに用途が広いため、ラチェット式とメガネ式の付け替えができる製品であれば両者の強みを活かして使い分けやすいです。

どの用途を想定しているかによって規定のトルクが変わるため、用途に合ったトルク値に対応したトルクレンチを探すことが大切です。また、最大トルク値の7割から8割の数値が、より長期的に扱える最適なトルク設定値となるため、工具をより長持ちさせるためにはトルク値をしっかりとチェックする必要があります。

具体的には、用途に必要なトルク値を0.7もしくは0.8で割った数値が最大トルクに設定されているトルクレンチを選びましょう。こちらでは、用途別におすすめなトルク値について説明していきます。

トルク値が10～60Nmに設定されている製品は、車やバイクの整備に適しています。車のエンジンオイルの周辺にはドレンボルトという部品が用いられますが、適切なトルク値は30〜40Nmです。

また、ガソリンを着火させ燃料として扱うためのスパークプラグという部品には、10〜20Nmのトルク値で作業します。整備する部品に応じて、3本ほどトルクレンチを用意することがおすすめです。

15～20Nmのトルク値で作業できるトルクレンチは、特に自転車の整備に適しています。自転車の部品は強い力で締め付けすぎると故障に繋がってしまうため、どのくらい小さいトルク値で作業できるかどうかに着目して選びましょう。

また、ロードバイクの整備作業にも、15～20Nmのトルク値がおすすめです。ロードバイクでキャンプを安心して楽しみたい場合にも、適切な値で整備できるトルクレンチが適しています。

90～105Nmのトルク値で作業できる製品であれば、力を必要とするタイヤ交換にも活用できます。タイヤを固定するためのホイールナットを整備したい場合、軽自動車の場合は90Nm・普通車の場合は105Nmの数値がおすすめです。1つの数値でのみ整備できる単能型のトルクレンチであれば、複数のタイヤの整備もスムーズにこなせます。

サイズや重量をチェックする時には、柄の長さが握りやすいか・狭い場所でも取り回しがきくコンパクト設計かどうかを確認しましょう。また、タイヤ交換などの力が必要になる整備には、柄がやや長めの設計の方が少ない力でもナットを締めやすく、女性の方も整備しやすくなるためおすすめです。

長時間作業を続けたい場合には、軽量設計のトルクレンチを選ぶようにしましょう。手の疲れを軽減しやすくなり、持ち運びの負担も減らせます。

安いトルクレンチの場合、高級なトルクレンチと比べるとやや精度が劣るため、どちらかというとタイヤ交換や軽い整備などに向いています。また、長期的に扱っていく場合に精度が変わってしまうこともあるため、精密な作業に活用するトルクレンチは日本メーカーの東日・KTCの製品をチョイスする、といった使い分けが大切です。

かなり低価格に設定されている場合、耐久性の懸念が生じることもあります。実際の製品の口コミや評判も合わせてチェックすると使った時のイメージが湧きやすくなるためおすすめです。

おすすめなトルクレンチは13個挙げられます。こちらでは

• プレセット型
• デジタル型
• 単能型
• プレート型
• ダイヤル型

の5つの種類に分けておすすめな製品を紹介していきます。

トルクレンチを扱う際には使い方や注意点を把握しておくことが大切です。こちらでは、使い方のポイントや使用後・保管時の注意点、緩める作業に使えるかどうかについて説明していきます。

使い方のポイントは以下の3つに分けられます。こちらではそれぞれの観点に分け説明していくので、参考にしてみてください。

• 仕上げる時に使う
• 2回以上カチッとさせない
• 指定された握る位置を守る

トルクレンチは最初から使うのではなく、仕上げる時に使うことが重要です。8割ほどまでは通常のレンチでボルトやナットを締め、仕上げる際には規定のトルク値に設定したトルクレンチを使う、というように使い分けましょう。初めからトルクレンチで整備してしまうとトルクレンチに負荷がかかりすぎてしまうため注意が必要です。

プレセット型のトルクレンチの場合、設定したトルク値になった際にはカチッという手応えが発生しますが、1度カチッと手応えが感じられた時点で締め付けを中止しましょう。デジタル型の場合も、1度通知音が鳴ったらそれ以上締め付けないことが大切です。2回以上カチッとなってしまうと、規定のトルク値を超過して作業してしまうため、故障に繋がる場合があります。

指定された握る位置から離れずに作業することも大切です。異なる位置を握って作業すると、正しい力の入れ方で作業できないため、注意しましょう。握る位置の印がわかりやすいトルクレンチを取り入れることも大切です。作業に熱中していると指定された位置から外れてしまうこともあるため、定期的に手元の確認をするよう意識しましょう。

使用後や保管する際には、2つの注意点を押さえておくことが大切です。こちらでは、2つの注意点について具体的に説明していきます。

使用後にはトルク値の設定を初期の状態に戻すことが大切です。ブレセット型のトルクレンチは作業前に任意のトルク値に設定を変更しますが、そのまま保管してしまうと精度が下がってしまう・劣化が早まる懸念があるため、初期の状態に必ず戻すようにしましょう。

また、トルク値を設定する際に最大値には設定しないよう意識することも重要です。トルクレンチへの負荷を減らしつつ作業しましょう。

高温多湿の場所では保管しないことも大切なポイントです。ある程度風通しが良い場所で保管するようにしたり、乾燥剤と一緒に保管したりすることで劣化を防ぎやすくなります。

また特に湿度が高く高温になりやすい夏場には、外出時でも車のトランクなどの密閉した場所に長時間放置しないことも重要です。日差しが当たる場所は避けて保管しましょう。

ネジを緩める時にはトルクレンチを使ってはいけません。トルクレンチはあくまで最後にボルトを締める時に使いましょう。締める方向とは別方向にトルクレンチを使ってしまうと、劣化が早まってしまいます。

ネジを緩める時には潤滑剤を使って緩みやすくしてから、ネジを外す専用の工具であるナットツイスターなどを活用して取り外すようにしましょう。

トルクレンチを使って、整備作業をよりスムーズに行いましょう。トルクレンチは、ヘッドの形状や用途に合ったトルク値・サイズや重量をチェックして選ぶことが重要です。自分が整備したいアイテムに合ったトルクレンチを用いて、整備作業を楽しみましょう。